2015年09月26日

世界選手権ロードレース 2015

レース名:2015 UCI Road World Championships Men Junior

日程:22日(TT)、26日(road) September
場所:Richmond - USA
距離:
TT ; 30.0km  15.0km X 2周回
Road; 129.8km 16.2km x 8周回 

リザルト 
TT  トップ 37:45 +4:31   44位/57名
Road トップ 3:11:09 +3:18  70位/114名(完走) 出走167名


今年の世界選手権ロードは、タイムトライアルとロードレースに出場する資格を得た。

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タイムトライアルは、あまり得意ではないが、30Kmという世界水準の距離のレースの中で、現状の自らの力量を量る良い機会として捉え、世界水準として自らの目標を平均44km/hにおいて戦いに臨んだ。
しかしながら、結果は自己目標にも全く及ばず、42.3km/hで順位もトップから4:31遅れの44位という結果に終わった。
結果からは、優勝者の48km/hとは、とてつもない大きな差があることに直面させられると同時に、自らの目標にも届かず無力さを感じることとなった。

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しかしながら自分としては、調子も良く、30Kmのレースにおけるペース配分、コース取りも悪くなく、今の力は全て出せたと思う。この差を確りと受け止め、今まで以上に独走力の向上を図るべきだと思った。

直前のフランスにおける調整の仕上げり状態も、タイムトライアルを通じ調子が良いことがわかり、ロードレースに向けていい手応えがあった。
海外におけるロードレースについては、昨年の世界選手権で17位に入っているものの、今年1年を通して成績が出ていないので、何としても上位にはいりたいところだ。昨年以上の順位を目標に具体的には、トップ10以内を目標に戦った。

今年のロードコースは、自分向きとは言えないパワー系のコース。そして、2カ所の急な登りの石畳があるのが特徴。どっちも30秒程の距離だがパワーを必要とする登りだ。昨年のような長い登り区間はなく、自分にとっては、不向きなコースであり不利なレース展開になることが予想された。ところが、レース当日が雨になったことで、自分にとって幸いにもというか、パワーをかける石畳区間がとても滑りやすかったためパワーを抑えざるを得なくなり、晴れた日ほどのパワー差はでなくなり、逆に自分に得意な滑らせないように走らせるテクニックが必要とされた。その面で、自分には分があると思った。

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レース展開としては、序盤、落車に捲き込まれる危険を回避するため、脚を使ってでも前の方に位置取ることとした。案の定、雨ということもあり、落車が多発していた。実際走ってみると石畳の登りはそんなにきつくはなく、余裕を持って一周目はこなすことが出来た。
2周目に入り、集団に落ち着きが見え始めると、集団前方の位置取りからくるストレスを回避するため集団内での位置を少し下げ、様子見することとした。途中、各国の選手が逃げをつくるが、大きな逃げには至らず吸収されるのを繰り返しながらレースは進行した。

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5周目に入るとパラパラと集団前方から飛び出して行ったメンバーが前で合流して、アメリカのエースであるコスタを含む10人以上の逃げができた。この逃げは、有力選手が乗っていて逃げ切る可能性が高かったことから、集団は容認せず、その後6周目にかけてペースを上げ、縦一列でずっと進んでいった。このような逃げにジョインするには常に集団前方にいないと加われない。逃げが協力で、集団との差が詰まりそうで詰まらず、やむなく自分は、アタックしてブリッジをかけて前に追いついた。しかしその後、集団も追いついてきて逃げを吸収した。そして一旦、集団のペースが落ち着くと、このタイミングで5人程の選手が先行した。自分としては、逃げのメンバーからそこまで重要視するような逃げではないと判断、また脚を休める必要があったので、この逃げには乗らず見送ることとした。

しかし、見誤ったことに結果的にこの逃げに乗っていれば最終周にむけて楽に入ることができたのだ。

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7周目、イタリアチームが集団をコントロールしてペースをあげた。早いペースで登りに入り、集団が中切れで分裂する。ペースをいきなりあげられたことから、集団の前方で位置取りすることができず、さらに悪いことに、今までの周には感じなかったが、脚がジリジリ削られて疲れが溜まっていたのが、この周に一気に出てきた。
8周目の最終周には、15人程の先頭集団が行き自分は第2集団で入った。終盤、一旦は先頭集団の牽制を利用し先頭集団に復帰することができたが、脚は限界で早くも1つ目の石畳の登りで千切れてしまい、最終的にトップと+3分18秒遅れの70位でゴールすることとなった。

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実際、最終周における1つ目の登りに入る前から脚にきていて、とても勝負に絡める位置にはいられなかった。戦略として、最終勝負するために、石畳を少なくとも5番手以内に位置することを目標としていたが、それは叶わなかった。
実際、2つ目の登りも登れないんじゃないかと思うくらい脚にきていた。このようなことは初めてである。身体全般の調子の良さに対して、脚(筋力)が完全に負けてしまった。
コースに石畳が組み込まれていたことで、周回を重ねるごとに気づかないうちに脚を消耗していた。
最終周回まで少なからず選手全員が脚を削られていたと思う。その証し最終周回でも、先頭集団のペースは、ものすごく速いとは感じなかった。しかし、その中でもパワーを出せるかどうか。このレースではそこに根本的な差を感じた。

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今回の世界選手権に際し、たくさんの応援ありがとうございました。
来年は、U23へとカテゴリーが上がり、今よりもパワーの差がでるようになってしまうと思います。1年目では思うように走れないと思いますが、2年目、3年目で結果を出せるように頑張っていきます。
引き続き応援よろしくお願いします。

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2015年07月23日

カナダネイションズカップ Tour de l’Abitibi 第4ステージ



54kmの今大会一番短いコース。距離が短いことから、スピードレースになると思った。この日は風も弱く、横風攻撃は予想されなかった。

チームのオーダーは、第1ステージと同様、小野・渡邊・沢田をベストなポジションに送り込むことだった。
自分としても、今日の距離からすると逃げは決まりづらく、集団スプリントになる可能性が高かったので、チームのために走ろうと思った。

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レースがスタートし、集団をコントロールすると思われたアメリカが、アタックをかけた。当然集団は反応し潰しにいく。そうすると、今度はカウンターで別のアメリカ選手がアタック。明らかにレースをきつくしようとして、他のチームを消耗させようとしている。モロッコ、フランスも加勢し、スタートから終始アタック合戦になる。

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日本チームは、前方に自分しかいなかったため、本当に重要なアタックだけを選んで反応する。アメリカ選手たちの攻撃からの、コスタ・マクナルティの動きにはとても注意した。集団が疲労していた場合、簡単に逃げが決まり、そのまま逃げ切られる可能性があるからだ。逃げが決まらず、ハイペースで進む中、30km地点で、自分とアメリカ、フランス選手の3人の逃げができた。この逃げは、鋭角のコーナー後にアタックなしで決まったもので、メンバーと距離からして逃げ切れないと思い、本気では踏まなかった。でも、あわよくば後ろから数人がきてくれることを期待したが、それはなく、5km程逃げて捕まった。

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アタックの動きはあるものの、アタック合戦にななるまで多くはない状況。いよいよ残り距離が減ってきたため、集団前方を位置取るため、集団の中を縫ってポジションアップをしていく。その途中、左にそれているコーナーで右前方の選手が左によってきて自分のブラケットを腰でおし、ポジションアップをしていた自分はホイールを前方選手に刺していて、とっさにホイールを抜こうとしたが抜き切れず、左前の選手のディレーラーにスポークを絡め前転落車。
怪我はひどくはなく、リムが割れていたため、ホイールを交換しすぐに走り始めるが、残り10kmくらいの落車で集団のペースは速く、カーペーサーも審判にマークされてしまったためできず、2分58秒遅れでゴールした。これにより、ネイションズポイント獲得圏内から脱落した。

さらに最悪なことに落車した時に強く頭を打ったため、脳震盪で左目がちゃんと見えなくなった。ドクターの診察を受けコーチとも相談した結果、翌日の第5ステージでDNSした。

総合順位でこれからの展開で、十分に10位以内を狙えたと思う。どうしようもない落車とはいえ、とてももったいないことをした。この悔しさは、クロアチアのネイションズカップ、世界選手権で晴らしたいと思う。

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JCF柿木コーチレポート

4ステージはMalarticをスタートして1周20kmの周回を2周してMalarticに戻る51.5kmで争われた。このステージは距離も短く、個人総合成績を考えても集団ゴールが予想されるので、ゴール前は小野、渡辺、沢田の連携でステージ優勝を狙う。
レースが始まると個人総合1,2位を擁するアメリカが昨日までのように集団をコントロールするのではなく攻撃を開始したため、非常に高速な展開でレースが進んでいく。大きな逃げが許されない中、2周目に入るとアメリカ、石上、フランスの3名が抜け出す。3名は協調体制が出来るが、集団も逃さずタイム差を大きく広げることは出来ない。ラスト10kmあたりで落車が起こり、石上、沢田が巻き込まれる。沢田は大きく曲がったままのブレーキブラケットで集団に復帰したが、ひどく落車した石上は集団復帰ならず、個人総合成績でのネイションズポイント獲得圏から落ちてしまった。
ゴール前は小野、渡辺、沢田の隊列は崩れ、小野、沢田が別々にスプリントをする形になってしまった。沢田は集団の後方からスプリントを開始したため、7位にとどまった。小野が6位に入り、ネイションズポイントを1ポイント獲得した。
チームの連携が取れなければ、集団スプリントでは上位には入れない。明日のステージからはより連携、コミュニケーションをしっかりしてチームでスプリントの際には戦っていく。

第4ステージ結果
1 BLEVINS CHRISTOPHER(アメリカ)1時間3分
2 COTE PIER-ANDRE(ケベック)同タイム
3 MCNULTY BRANDON(アメリカ)同タイム
6小野康太郎(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)同タイム
7沢田桂太郎(東北高等学校)同タイム
29渡辺  歩(学法石川高等学校)同タイム
71大町 健斗(安芸府中高等学校)9秒差
114石上優大(横浜高等学校)2分58秒差

第4ステージ後 個人総合成績
1 MCNULTY BRANDON(アメリカ)6時間6分30秒
2 COSTA ADRIEN(アメリカ)17秒差
3 COTE PIER-ANDRE(ケベック)55秒差
22渡辺  歩(学法石川高等学校)2分29秒差
24沢田桂太郎(東北高等学校)2分41秒差 
33小野康太郎(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)3分45秒差
48石上 優大(横浜高等学校)4分52秒差
87大町 健斗(安芸府中高等学校)8分41秒差
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カナダネイションズカップ Tour de l’Abitibi 第3ステージ

タイムトライアル

5.3kmを行って帰ってくる10.6kmのTT。前半と後半はテクニックを必要とするコーナーが多く含まれており、中盤は力勝負になる緩い登りの直線と緩い下りの直線、平坦がある。

前半のコーナーでは大きな差は生まれずらい。中盤の登りと下りと平坦が勝負だと思った。

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雨が降ってきて、路面が完全なウエットになる中スタートした。
前半後半のコーナー区間は、無理して攻めずにスピードを殺さないように走った。中盤区間に入り、完全に力で踏んでいく。登りはうまくこなせたが、下りでスピードを乗せきれなかった。

ゴールしてからは、まだ余裕があり、もう少し出せたと思う。しかしながら、トップとの差は大きく力の差を痛感した。
前の選手とのタイム差もそこまでない総合で15位にとどまれたので、午後の第4ステージでの上位入賞に加え第5ステージ以降の中間ボーナスタイムも取りに行き順位アップを狙いたいと思う。


JCF柿木コーチレポート

第3ステージは10.6kmのコーナーが多くバイクコントロールの求められる区間と、力勝負となる緩い登りの直線、緩い下りの直線区間があり、選手としての総合力が求められるコース設定で争われた。レース前半の選手の出走時には乾いていた路面も、途中から雨が激しく降り始め、沢田、渡辺、石上の出走時には雨と風が強くなる。
TTでは圧倒的な力をみせるMCNULTY BRANDON(アメリカ)が2位のCOSTA ADRIEN(アメリカ)に11秒差をつけて優勝した。3位以下に44秒差をつける圧勝であった。日本選手のトップタイムは一番気象条件の厳しい時間に出走した沢田で、平坦の直線と下り区間でタイムを稼ぎ、1分26秒差の22位であった。1分34秒差で35位に入った石上が個人総合で15位にとどまり、第4ステージからは沢田のスプリントでのステージ優勝とともに石上の個人総合のジャンプアップを狙う。

第3ステージ結果
1 MCNULTY BRANDON(アメリカ)13分47秒
2 COSTA ADRIEN(アメリカ)11秒差
3 GEE DEREK(カナダ) 44秒差
22沢田桂太郎(東北高等学校)1分26秒差 
35石上 優大(横浜高等学校)1分34秒差
51大町 健斗(安芸府中高等学校)1分55秒差
63渡辺  歩(学法石川高等学校)2分9秒
71小野康太郎(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)2分16秒差

第3ステージ後 個人総合成績
1 MCNULTY BRANDON(アメリカ)5時間3分29秒
2 COSTA ADRIEN(アメリカ)15秒差
3 COTE PIER-ANDRE(ケベック)57秒差
15石上 優大(横浜高等学校)1分52秒差
25渡辺  歩(学法石川高等学校)2分27秒差
27沢田桂太郎(東北高等学校)2分39秒差 
37小野康太郎(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)3分43秒差
88大町 健斗(安芸府中高等学校)8分41秒差
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